光を波面で操る液晶技術、LCOS
液晶とは
一般的に、物質の状態は温度が上昇するにつれて固体、液体、気体の3様態をとります。しかし、ある物質は固体と液体の中間の相をとることが、1888年にオーストラリアの植物学者F. ライニッツァーによって発見されました。この中間の相では、物質の様態が液体であるにも拘らず、固体結晶に見られる光学異方性を示すことから、液体結晶、略して液晶と呼ばれるようになりました。

図1に液晶素子の構造を示します。液晶の分子は棒状の形状をしており、固体と違って分子の位置は不規則ですが、その向きは長軸方向に平行に並んでいます。液晶には誘電率異方性と呼ばれる性質があり、電場の中に置かれると電場と平行に分子が並ぶ特徴があります。
今日、液晶の応用として身近となっている液晶プロジェクタ、液晶ディスプレイはこの性質を利用して光を遮断したり透過させたりする事によって表示をおこなっています。